腎臓疾患
腎臓内科では慢性腎臓病、糸球体腎炎、尿路感染症など腎臓疾患に対する検査や治療、慢性期管理を行なっています。
慢性腎臓病
高血圧をはじめとした動脈硬化性疾患による腎硬化症、糖尿病による糖尿病性腎臓病、慢性糸球体腎炎による腎機能低下などに対して定期的な血液検査や尿検査で評価を行い、腎保護薬を用いて腎機能低下を予防します。腎機能が廃絶した場合には血液透析が必要になりますが、当院では透析にならないような外来管理を心がけています、
糸球体腎炎
糸球体腎炎は腎臓の糸球体と呼ばれる部位に炎症が起こる腎臓疾患です。この炎症により腎臓のフィルターである糸球体が障害を受け正常な機能が阻害されます。免疫系の異常が原因となることが多くタンパク質や赤血球が尿中に漏れ出すことがあり、むくみや高血圧といった症状が現れることがあります。診断は専門医による検査が必要であり、何より早期の発見と治療が必要となります。
ネフローゼ症候群
腎臓の異常により体に必要な大量のタンパク質が尿中に失われ、それに伴ってむくみや低タンパク血症、高脂血症などの症状が出現する疾患です。複数の原因があり、免疫系の異常、感染症、薬物、糖尿病などが関与することがあります。治療は抗炎症薬や免疫抑制薬、利尿剤などを用いて症状の緩和や腎機能の保護が行われます。
尿路感染症
細菌が尿路(尿道、膀胱、尿管、腎臓)に感染する状態を指します。主な症状は頻尿、尿意切迫、排尿時の痛み、腰痛などがあり、通常は腸内の細菌が尿道を経由して侵入することが原因となります。診断は尿検査で行い抗生物質での治療が必要となります。
多発性嚢胞腎
腎臓に複数の嚢胞(液体で満たされた袋状の塊)が多発する遺伝性の疾患です。嚢胞が増殖し正常な腎臓の構造を破壊し慢性腎臓病に進展する可能性があります。早期であればあまり自覚症状はありませんが、腹部膨満感や腰痛、尿潜血や健診での腹部エコー検査から発見されることもあります。腎不全の進行を遅らせる治療薬はありますが早期発見が重要です。遺伝性の疾患であるため血縁者で多発性嚢胞腎と診断されている方がいれば一度専門医受診をお勧めします。